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手術で知っておきたいこと

肺がん治療に手術が用いられるのは、根治が望める早期の非小細胞肺がんのみです。術式は縮小手術、拡大手術、肺葉切開術、内視鏡手術が現在の主流と言えるでしょう。費用や入院日数は術式、抗がん剤・放射線治療の有無で大きな違いが生じます。治療後の生存率は早期なら90%以上ですが、ステージが上がるにつれ50%、30%と低下していきます。また、肺がんは再発が高いため、全体で見ると約半数の方が再発しているようです。

手術費用や日数
手術治療は用いる術式、放射線治療や化学療法の有無によって費用、入院日数が大きく異なります。
手術後の生存率や再発について
5年生存率は早期なら90%以上ですが、ステージⅢだと30%代にまで低下します。また再発率は平均で50%程度です。

主な手術内容

肺がんの手術では主に3つの術式が用いられています。肺葉切除術は癌の切除を肺葉単位で行う方法です。同時にリンパ節郭清も行うため転移リスクも軽減されます。2つ目の縮小手術は、切除を肺葉切除よりも小さくする方法です。呼吸機能の低下は防げますが、癌を取り残す可能性もあります。最後の拡大手術は、浸潤の疑いがある部分全てを切除する方法です。完全切除による根治を目指せる反面、生活の質の低下は間逃れないでしょう。

肺葉切除術
全部で5つある肺葉から癌に侵された部分と周辺のリンパ節を切除する方法です。癌の根治と転移リスクの軽減が期待でる術式です。
縮小手術について
肺の切除範囲を極力少なくした術式です。呼吸器官が温存できる反面、癌を取り残すデメリットがあります。
拡大手術について
浸潤した周辺組織を全て切除する術式です。転移リスクは軽減しますが、術後の生活の質が低下する傾向にあります。

合併症について

切開を必要とする外科治療には様々なリスクが伴います。その一つが術後の合併症です。肺がんの場合、肺炎、肺婁、気管支瘻、膿胸、肺塞栓などに注意が必要になるでしょう。特に血栓が肺静脈に詰まる肺塞栓は危険な合併症で、発症者の3割が命を落としているのです。時間の経過と共に死亡率が高まるなど、早期の治療が必須となります。また、合併症が別の合併症の原因になるケースもあるのです。

肺葉切除術による合併症
近年、合併症の発症率は軽減していますが、患部の出血、心機能の異常、肺炎、肺婁、肺塞栓症などが起こる可能性があります。
気管支瘻
気管支の穴から空気が漏れ出すもので、喀痰、血痰、発熱などを生じます。手術中の縫合不全が主な原因です。
膿胸
増加した胸水が細菌感染する合併症です。最悪の場合、敗血症の合併が起こるため注意が必要になるでしょう。
肺塞栓
剥がれた血栓が肺の血管に詰まり、胸痛、呼吸困難、ショック症状などを起こします。約30%の方が死亡している危険な合併症です。